君のいない休日の午後
さち

毎日見慣れた部屋の中で
いつもと少し 
違う私になって見ようなんて
時間も いつもとは
少し違う角度で流れて


早いうちに片付けも終えて
それも気が向いたところだけ


テレビは騒がしいから
気になるニュースも
初めから知らなければ 無いと同じ事
音楽を流してみる
私の視線は内側を向き始め


週刊誌の荒い印刷が
心のどこかを
ザリザリとこするような気がして
クッションの下に 追いやってみる
私の視線は内側を向き始め


一人で使うにはゆったり過ぎるソファに
寝転んで久しぶりに読む純愛小説
ミントティーの湯気を思い切り吸い込んだら


なぜか
ゆっくりした幸せは 寂しさに少し似ていて


それは
悲しくはないけれど 微笑んだら少し泣けて


妙にせつなく満ち足りてしまった


自由詩 君のいない休日の午後 Copyright さち 2005-04-06 11:08:12
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