わたしのさみしさは
浅見 豊

夏、わたしのさみしさへ
はぐれた雲がひとつその影をおとしてゆきました。
青い空はわたしのものではなく
雲はしずかにながれてゆきます。
そのあわいかげにいつか はなの
しろいひとひらがあらわれ
いずこからともなく舞いそしてみずに浮かんできえるのを、
そのさみしげな姿がなにともなくただよいきえてゆくのを
わたしはそこに眺めていたのでした。
ただ
いとしくうまれ
いとしく生き
いとしく死ぬことを思い
生き

ひとよ
だからそこにいてください そして
そのやわらかなからだでわたしのさみしさをだいていてください。
わたしのさみしさは哀しいのでもなく
じれったいのでもなく けれど
みずのなかをただようはなのようで、
だからそれをかなしませないでください。


自由詩 わたしのさみしさは Copyright 浅見 豊 2005-04-05 01:35:03縦
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