律動
葉leaf


わずかずつ差分を超えてきて
都市の配管にひたひたとうずもれる
真夏の花弁が遠い秋の音と鳴り代わっている
時雨れているのは人か木か
正しい結審の音ばかりが降り注ぎ
うすら近い日々の錯乱がうつくしい
早朝の花嫁は指先で円を描いた
その円を構成する太陽が
夕刻の花婿を内側から照らす
いくつもの集落を越えて
死を重ねてきた掟の改訂作業が
掟の使徒によって朗々と語られる
もう明け方を繰り返さない
小さな決意が轟音となり押し寄せる



自由詩 律動 Copyright 葉leaf 2019-09-19 05:05:09
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