アキチョウジの妖精
丘白月
日陰に深く蒼く
空の目を盗んで
妖精のハーブが咲く
摘んで行って下さい
長い長いその道の終わりに
あなたの重い記憶と一緒に
雲になるほど干してしまって
風に乗るほど目を閉じて
飲んでしまえばなにもかも
坂道の真ん中で夢を見て
過去と未来を上下に分けている
どちらへも行かないで
今はいつまでも
このハーブを飲んでいて欲しい
深い海にも似た花の色は
森に捨てられた溜め息
シソの葉が浄化して
アキチョウジの花になる
自由詩
アキチョウジの妖精
Copyright
丘白月
2019-09-17 06:12:29