朝は来ない
坂本瞳子
獣
(
けだもの
)
の夜に
暴れだしたい欲望を抑えつけて
のた打ち回って
はけ口を求めて
彷徨いたいのだけれども
自らの目をえぐり出すほどの
高潔なる勇気など持ち合わせず
ただひたすらに堕ちてゆきたいと
夢見心地に浸りつつも
求める唇が裂けてゆくのを
妄想しては踏みつけて
踏みつけて踏みつけて
混沌に満ちた破壊の中で
一切の静寂を忘れては
ただただ涙に濡れる
自由詩
朝は来ない
Copyright
坂本瞳子
2019-09-05 22:52:25