あなたの見ない……
la_feminite_nue(死に巫女)
今日は退屈。
退屈だから、タブレットでポエム書くの。
かく言うわたしもさ……
ああ、いいや。それは。
空はまだら模様の晴れ、
さっきまでは雨も降っていたみたい。
未来を売り払ってさ、
わたしは過去を手に入れた、昨日のこと。
言葉にはできない想いもいつか、
痛み止めのなかで探りを入れてる、
シガレットの火が消えて、
わたしは地面に近い。親しい。
要するに、この地の上に座り込んでさ、
まだ温かい星のことを感じてる。
透き通る空は、遠いよ、
遠すぎて、どこにも行ったりしないのだから、
肌荒れも平気、
足なんかゼブラ柄になってるけれど(やつらのせいで)、
……それもいいかな、
なんて思ったりしてるの(勲章じゃないけど)。
ああ、わたしの名前?
愚者っていうことでいいかな、一人の。
愚者賢人を笑うだから、
わたしも賢者たちを笑い飛ばそう……
ああ、空が近いわ。
灰色の空は近いから、わたしもこの地に座り込む。
まだ、この星の砂は温かいもの、
死にゆく者の一人として、自分の悲劇を笑い飛ばそう。
透き通る空は遠いよ、
遠すぎて、どこにも行ったりしないのだから、
わたしは再びの雨を待っている、
一人の愚者っていうことでいいから。
今日は退屈。
明日もきっと、そうなのだろう。
タブレットを持って座り込み、
シガレットに火を付けて見つめてる。
見つめてるあなたの未来、
見つめてる彼(あなた)の過去。
わたしではない者が見つめる、
わたしではないものに追い縋る……
やり場のない想いと記憶は、
誰にとってもやり場のないものなのだ。多分。
この星の土はまだ優しい、宿命など感じられないほどに。
あなたを、わたしではない者が見つめるほどに。
強いられている、
わたしは拒絶している、あの空の高さ。
空はゼブラ模様の晴れ、
さっきまでは雨も降っていたみたい。
さっきまでは、
わたしも透き通っていたみたい。あなたの見ないわたし。
あなたの見ない、あなたの過去。