坂佐野 りの

買っておいた胡瓜と茄子に割り箸をさして
精霊馬をつくり
朝の玄関に置いた

いつからなのか
サンダルの隙間に
しろい腹をみせてころがる
蝉の死骸を拾い
リウマチの指を思い出す

夕方に貰い物のそーめんを茹でて
ザルで洗い水を切り
きみに電話する


言葉を見捨てる準備はできていた 見捨てられる準備だったかもしれない
出会ったときには整っていた

それを日々忘れていった
偶然に


あるだけの氷を敷き詰めたガラスボウルに
そーめんを流し入れる

今朝 精霊馬をつくったとき折っておいた割り箸を
平皿にいくつかのせて
迎え火を焚く


自由詩Copyright 坂佐野 りの 2019-08-13 20:40:19
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