ブローニュの森の妖精
丘白月

パリの妖精
第2話「ブローニュの森の妖精」


木漏れ日を閉じた目蓋に受けて
アントワネットと並んでお昼寝
小鳥も啼かずに羽根を日傘に

温かな土と草の匂い
ゆっくり瞳をひらけば
青空に描かれた占いの言葉

魔女の言葉を呑み込んだ妖精は
アントワネットに見せた
セーヌ河が赤くなると

遠くでサーカスの歌が聞こえる
妖精は時おり思い出す
ワッフルを千切って貰った事を

遠い日の忘れがたき想い出
たった一度の森の出来事
優しく羽を撫でてくれた人


自由詩 ブローニュの森の妖精 Copyright 丘白月 2019-08-12 21:23:41
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