とうもろこし
印あかり

とうもろこしをもぎると、
骨が折れるような音がして
透明な血がじゅわっと溢れて手首を伝った

舐めとるのに夢中になっていると
入道雲が発達してきた

わたしにはまだ涙が残されている
流すべきときに流すための
それは、にわか雨のカーテンの中?
包まれて
見えなくなって
死んでいくのかな



自由詩 とうもろこし Copyright 印あかり 2019-08-10 10:08:55
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