蝶々が
こたきひろし

雄と雌
直ぐに想像がつきました
見た目に色の綺麗な蝶々がにひき
ひとつに繋がっていました

交尾してるのか
当然そう思いました

周囲は自然がいっぱいでした
街の喧騒から隔離された広い公園の中を
二人は散歩してました
結婚をした
夫婦でした
お互いの心は
どこまでも
運命共同体であらんと
切に願っているに違いありませんでした


日曜でした
午前の日向臭い匂いが充満していました
辺りには植樹された木々と
同様に人の手で運ばれた草花がいたる所に

自然が演出されてました

私たちは男と女
一対でしたが
ヒトなので
勿論
交尾などしていませんでした


訪れている人の姿が何人かありました
犬を連れて歩く婦人
ベンチに並んですわっていた老夫婦

その姿から
何かけして拭き取れない
寂しさを感じました
それは曖昧模糊とした
靄のように思えました

生きてはいるけれど
けして活きていない日々への思いが
この胸に湧いてきました

蝶々がにひき
ひとつに繋がって
私たちの行く手に
ひらひらひらと
飛んでいました


自由詩 蝶々が Copyright こたきひろし 2019-07-22 06:54:40
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