夢の中では
Giovanni

言葉が空を切るばかりだ
のどやかな空の下
芝生がさらさらと
白銀の歌 うたう
静かな公園で
確かに僕は
あなたの名を
呼んだのだが

言葉はなかった

あれは
幻だったのだろうか
確かに僕たちは
あの5月の涼風吹く
昼過ぎに
2人きりで
弁当を食べたのに

のぞきこんだ
あなたの顔には
何もなかった
あなたの姿態にも
何もなかった

ただ風が吹くだけ
心地よい
風がただ吹くだけ


2010.11.10


自由詩 夢の中では Copyright Giovanni 2019-07-15 10:58:57
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