バス停 第7話
丘白月

「詩的連載ドラマ バス停」


今日は日曜日
雲一つない青空

伊藤君とわだかまりなく
話せることができて
とても嬉しくて
心は今日の空のようだった

窓をぜんぶ開けて
部屋の掃除と洗濯

裏の林で鳴くシジュウカラ
隣の部屋から子供の歌

そうだ、靴を買ってそれから
日記帳も欲しいな

メモした時刻表を見て着替えて
アパートの階段を降りる

坂道を少し下ると海が見える
赤く縁取りされた丸い看板
青い文字のバス停

日曜は伊藤君お休みかな

ドアが開いて乗り込んで
見えたのは伊藤君と・・・
すぐ後ろには奥様の敦子さんがいた

智子はびっくりした

敦子さんは車で通勤してたから
バスで会うなんて・・・

たまには主人のバスに乗るのも
いいかなーって思って

智子には二人の姿が
羨ましかった

次のバス停で降りませんか
美味しいケーキのお店があるんですよ
主人の友人がやっているんですよ
貝細工が趣味のオーナーさんで
怖い顔して可愛い小物がたくさんで・・・

敦子の笑顔は海のように優しく
智子をつつんだ

ああ伊藤君はこんな笑顔が好きなのね



*** つづく ***


自由詩 バス停 第7話 Copyright 丘白月 2019-07-05 20:49:59
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