わびぬれば
Lucy

わたしの大事な人形は
美人と言われた器量よし
ぬばたまの夜に家出して
レールに身を投げ轢死した
バカな恨みに身をやつし
身近な優しさ見失い
乙女の時を棒に振り
憂さを晴らしに酒浸り
昨日も今日も自暴自棄
愚にもつかないご乱心
さても今宵の見世物は哀れな化身蛇女
野垂れ死ぬところを見出され命救われ再デビュー
ねえわたしは生きているのこのままいきていけるのかしら
おなまえをせめてなまえを聞いちゃいけない行きずりの
ただの旅人ただの人ただの詩人でございます
ええこりゃなんじゃいな
てんてんつくつんてんつくつ
さあさみなさまご覧あれ蛇の化身の晴れ舞台
それそれそそそそれそそそ
うたわぬ鳥は蛇に食わせろ
みのほど知るは誰のため
ずっと昔の淡雪の
あの初恋の人のため歌い続けてきましたが
らくだの列に続く影月の砂漠をはるばると
ばらの記憶が逝きました
いつもお空を見上げると君の笑い声がするんだ
なんでもないことなんでもないことなんだよ
ん~ただこの体ぼくにはちょっと重すぎるんだ
とにかく水を汲んでくれ君の腕に力を込めて汲み上げた特別な水をのませて
ぞうくんは楽しそうではないね
おうちへ帰りたいんだろうね
もう返してあげたらいいのに
うまれたサバンナの夢を見て今日も泣いているんだろうな



自由詩 わびぬれば Copyright Lucy 2019-06-30 23:06:40
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