それでも、この生命あるかぎり
坂本瞳子

不条理な
世の中にこんなにも不条理なことがあるものかと
打ちひしがれてしまいたくもなることを否めやしない

駄々っ子のように
いじけて拗ねて捻くれて
大いに不貞腐れて
八つ当たりまでしてみても
荒んだこの心が救われることはない

大声を上げて泣き喚いてみても
嗚咽を殺してさめざめと涙を流し続けても

地団駄を踏んで
空に向かって唾を吐き捨てようと
この気持に陽が差し込むことはなく
誰も傘を差し伸べてくれはしない

向かい風に撃たれながら
両目を大きく見開いたまま
朽ちてゆくことを夢に見て
明日に絶望を覚え
いまを生きる


自由詩 それでも、この生命あるかぎり Copyright 坂本瞳子 2019-06-27 23:01:12
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