おどろく準備
木葉 揺

私があきらめた点滅に
高齢の男性が
吸い寄せられていく

街では
たいていのことは
ビルが見守っている

不慣れな人間も
やがて
祈らなくなる

だから毎日
違う流れをしなくては
何か異質でなければ

組み込まれたい私が
軸足を街の外に置いて
平穏の中で
驚く準備ばかりしている


自由詩 おどろく準備 Copyright 木葉 揺 2019-06-06 00:46:04
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