離任
葉leaf


とがった心象風景を彩り豊かな地図に描きかえる仕事だった
あるいは
蓄積された夜を薄紅色の朝焼けに浄化していく仕事だった
あるいは
つぶれた恋の上層に永遠につぶれない恋を成就させる仕事だった
あるいは
真理と正義を天秤にかけてダークホースの悪に軍配を上げる仕事だった
あるいは
太陽という植物になり互いに光合成し合う仕事だった
そして今日
それらの仕事を定義ごとごみ箱に捨てて
体のいくつかの部分を置き捨ててくる
離任の日の花束は明るい


自由詩 離任 Copyright 葉leaf 2019-03-31 18:01:59
notebook Home 戻る  過去 未来