宇宙船と稲光
カマキリ


月の横に大きな鯨が浮かんでいる
ちいさな星や人工衛星を食べて生きるまぼろし
ごちそうさまの煙を吐くと
オーロラに乗ってどこかに帰っていく

きっとあれは
我々のことなんて何も思わなくて
旅行中の宇宙船なんかにちょっとぶつかったりして
気の遠くなるような時間をかけて
ひとりぼっちを満喫しているのであろう

この大いなる暇つぶしに
いろんな人が願いをかけたり
ぼくのようにビール片手にぼやっと見ていたり
その大いなる暇つぶしの中で
ウインクの練習をしてみるのだろう

轟音と稲光
踵の溶けたクツを
ぼくはいつまでも脱げないままでいる


自由詩 宇宙船と稲光 Copyright カマキリ 2019-03-16 20:27:36縦
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