春の花嫁
本木はじめ

思いきり笑ったきみの口のなかで光る銀歯が見える三月


にらまれる動物園の蛇の目に何かを思い出しているきみ


ふたりして手を伸ばしても青空の青の部分に届かない春


赤と青、歩行者信号機のふたり実は友だち会えないけどね


ありふれた失恋だからパンクした自転車漕いで帰る春です


人になりたいと思っていた鳥の頃を毎晩おもいだしてる


二度とない二度目なんだよ人生はすべて正夢これでおしまい


ドラマなら僕は脇役まどのそと春の花嫁駆ける真夜中




短歌 春の花嫁 Copyright 本木はじめ 2005-03-29 20:31:18
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