題詠マラソン伴走 001-010
待針夢子

1:声

暴ければ骨がみえるようつくしい燃ゆる緋色の声みえずとも

2:色

郷愁もあざけってくれ雨粒に色などないと笑う君なら

3:つぼみ

花つけず逝ってしまうか夏椿つぼみのきみが埋まるやわつち

4:淡

サイダーに食紅とかす薬指つめ先ねぶる淡いあきらめ

5:サラダ

「人生ね?サラダなのよ」としたり顔トマト除けつつ何をぬかすか!

6:時

オレンジのネイルカラーに溜めた時ふたの硬さが目眩いに似てる

7:発見

錆びた枷はずしちゃえるよ二人なら僅かな距離も発見せずに

8:鞄

黒鞄指紋が君を主張するぬぐえないから肌にはりつけ

9:眠

くるぶしにくちびるうけるこうこつに眠りつづけろわたしのきょうじ

10:線路

線路上君へとかける朱鷺色の月さええぐれ銀の閃光


短歌 題詠マラソン伴走 001-010 Copyright 待針夢子 2005-03-29 12:28:42
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