永劫の蕾
新染因循


この花は永劫の畔にゆれている。
あまたのうつろいをながめ
蕾という名の一輪となって。

風よりもとうめいなあなたの声が、
水面をやわくなでている。
どことも知れずに吹いてきては。

あなたの落としていった種は
油彩のなかに秘められた
空のかなたの青色をしていた。

ああ、永劫に
枯れることもない花のあわれ!

日よ、暮れよ、
吹きすさぶような夜よ、
この花が枯れてしまうように。

手折るではなく、
ただ、日よ、暮れて枯れよ。
だがあなたは在るのだ。

この花は永劫の畔にゆれている。
あまたのうつろいをながめ
蕾という名の絵画となって。


自由詩 永劫の蕾 Copyright 新染因循 2019-02-14 00:50:25縦
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