或る午後の変容
服部 剛

私の中に
永い間眠っている
マグマ

涼しい顔してほんとうは
体内を巡る真紅の血が
いつも渦巻いている

そろそろ目を開く季節だ
あの空、葉脈、
一本の水平線を
( あなたの黒い瞳を )
みつめよう

再び
風は頬を撫でてゆく
目を閉じる

体内に宿る
マグマのうずきに
耳を澄ます

やがて私の存在は
渦を巻き、加速する

――一陣の風になる  






自由詩 或る午後の変容 Copyright 服部 剛 2018-12-31 19:12:38
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