あおば

                              
すっきりとした風が
風が吹いてきた
すけこました顔付きで
筋斗雲を呼んでいる

ここでも
生まれたばかりの幽霊が
うろうろして
回転ドアに挟まれる

自転車が倒れる音を
羽蒲団にくるんで隠し
まっしろな壁に
マヨネーズを塗りたくって
一人で始めた結婚生活

ギヤマンの壺を売りに来た
十姉妹のような男をぶち殺す
アブラゼミが鳴くから夏だと
風のように口を尖らせる





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初出朗読 コトバコ 2004/08/14



自由詩Copyright あおば 2005-03-27 02:56:42
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