家族のキズナ
梓ゆい
妹がママになると判った日
母の手を取る彼女の傍らでは
今は亡き父が佇んでいた。
孫の誕生を共に喜び
元気で丈夫な子供に育つよう
そっと見守り続けているかのように。
私はほんの一瞬
たった一人で黙り込む。
皺の増えた顔をくしゃりと丸め
小さな赤子を抱き上げる父を
見ることが出来ない寂しさで。
自由詩
家族のキズナ
Copyright
梓ゆい
2018-11-04 21:55:03