俺はショートケーキの苺がつぶれ落ちるさまを眺めおまえの心臓のありかを思い出す
カンチェルスキス








 俺は月を見ていた。
 月は俺を見なかった。


 おまえのことを
 思い出し
 夜はよく眠れる。
 朝に起きる。


 昼。
 ショートケーキの苺を
 壁にぶつけ
 つぶれ落ちるさまを眺める。
 おまえの心臓のありかを
 思い出す。


 夕暮れ。
 太陽と月が
 同じ空にある。
 俺は太陽と月を同時に見たけど
 太陽と月は
 同時に俺を無視した。

 
 季節が変わり
 少し広くなった
 空と空にあるものは
 相変わらず
 俺には無縁のものだった。


 俺の心臓のありかを
 思い出させてくれ。
 

 拒絶。

 劣化。







自由詩 俺はショートケーキの苺がつぶれ落ちるさまを眺めおまえの心臓のありかを思い出す Copyright カンチェルスキス 2005-03-25 20:24:03
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