誕生
バカ男



楽しいショーの始まりだ!と言いながら僕らは産まれてきたはずだ


僕に名前が無かったころ、魂は行き先を欲してなかった


たくさんの人、たくさんの名前、溺れそうになって君の名を呼ぶ


喉がいがらっぽくて睨んでしまう。五十嵐君のせいじゃないのに。


「海が見たい」と泣く君を連れて回転寿司へ「さあ、これがウニだよ」


冷蔵庫の背中温かいね、このままずっと二人でいようね、


運転手だった父を運転手の僕がおんぶする長い廊下


火葬場できれいだと思った人が今、僕の子を産もうとしている




短歌 誕生 Copyright バカ男 2005-03-25 09:47:09
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