雲のかたまり
かのこ

何か間違った翌日の光の眩しさ
カーテンは必ずしも薄緑色で
少し笑って
決意した時の喪失感
自我が縦に割れていく

空間が一つの存在を許すシーン
数秒間だけ、ヘリウムのちからに乗った

なんでそうまでして飛びたかったの。


故郷の空があまい匂いを醸し出して
ギイギイと厭な音を立てるのは
幼い振りをしていた
駄々をこねるのが上手だった女の子

なんでそうまでして


知らない間にこんなにも適応していた
この小さな巣箱のなかで
見た夢は濁流に
流れたのか、或いは流されたのか


決壊して、
飲込ん、
で、

なんでだろうね、と笑って

空間が一つの存在を許すシーン
数秒間だけ、ヘリウムのちからに乗って、差した光


飛んだらいつか落ちる

雲のかたまりは、流れ、その形を変え、
終いには消えてしまう


飲込んで欲しい。


飲込んで欲しい。
飲込んで欲しい。


自由詩 雲のかたまり Copyright かのこ 2005-03-24 06:35:28
notebook Home