スピカ
待針夢子

ただあいたくて、それだけでしんでしまえそうだけど

あの子が火葬場のにおいのする小島で
何も映さず笑っていられますように
忘れることも残すことも許さない
残酷な小鳥でいられますように
午前二時のバスタブで
淋しさに微笑みませんように

見えないその瞳で
しあわせのかなしみに瞬く
同じスピカを見上げているとしんじてる


自由詩 スピカ Copyright 待針夢子 2005-03-24 05:28:40
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