光のサーフィン
宮木理人

乱反射する万華鏡のなか
ジグザグに進む光のうえに
細い両足突き立てて
カクカクに進む光のサーフィン

なびく髪の毛は一本づつ抜け落ちて
ついにはツルピカになり
風の抵抗がなくなって、ますます速く
速度と輝き増して行く

キラキラのビーズを
小さな風車を
何度も回転させながら

海底と太陽を
コンビニとスカイツリーを
何度も往復しながら

何度も見た景色に
初めて見るようなきらめきを際立たせる

日が暮れると
光の速度がなくなって
ぼくはぽつんと
海辺へ降ろされて

太陽はほんとうに海の底に沈み
沸騰した海水のなかで魚たちが茹で上がる
山は宇宙に手を伸ばし、必要以上にせり上がる
その間で
たいくつそうなヒトデが1匹、変なポーズしてる


自由詩 光のサーフィン Copyright 宮木理人 2018-08-23 01:20:18
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