天日干し
草野大悟

とびっきりの良い天気に浮かれた医者が

いっちょやりますか、天日干し

頭をカパパッと開いて
脳味噌の天日干し

カパパッと開いた頭の中の
脳味噌の襞には
初めて外気に触れて
すっかり有頂天になった
鬱積や

愚痴や

その他諸々が
ちょろちょろ走り回り
医者に
 われわれわあ〜
 最後まで戦うぞお〜
シュプレヒコ〜ル
連呼、連呼、連呼

温厚怜悧な彼もさすがに切れ
 何と戦うんだコノヤロ
さきほどまでのハイな気分も飛んでしまい
 勝手にやってろバカヤロ

走り回るもののひとつを捕まえ
チタンでぱちんとクリップして
さっさと閉頭

 あっ、先生
 て、天日干しが・・・

滅多にない天日干しのチャンスを逃した脳は
鬱積や夢、愚痴や愛その他諸々を一列に並べて正座させ
くどくどねちねち
ねちねちくどくど
生きてゆくことのパズルを
エンドレスモードで説き始めている




自由詩 天日干し Copyright 草野大悟 2005-03-23 11:47:33
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