明治通りの夏
番田 

腕を振って僕が歩いていたのはいつだろう
角の入口で そんなことを考えていた 僕は
僕自身の中では でも 地図を見ていたけれど 
いつから僕は夢の中を歩かさせられていたのだろうか


目を開くと しかし
扇風機の音の向こうに聞こえた気がしたさざなみ
僕が子供の頃に聴いていたはずのかすかな音
僕の夢の子供がはっきりと耳にしていた音


時々そんなことを考える僕が 角を曲がって
立ち止まった ユナイテッドアローズの前で
この先の明治通りで立ち止まったことを思う時
瞼の裏で思っている 街が流行っていた時代のことを 


どんな服を着ればいいのだろうかと いつも悩んでいた
たとえそこで目を閉じていないときでも
僕が 人混みで胸を張って 生きていた頃のように 
未来の僕が この暗くなった通りに 透き通って見えたんだ




自由詩 明治通りの夏 Copyright 番田  2018-07-02 00:08:54
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