僕の地球を守って
ミナト 螢

涙のマークから帽子を脱ぐと
水玉が浮かぶ空の上には
無人駅を繋ぐ線路だけが
星の明かりを頼りに走った

僕の背中に風が吹くと飛べる
マントがあるのは涙を拾うため
泣き疲れた人のトンガリ帽を
銀河まで運ぶ仕事をしている

途中下車のない旅が始まると
アナウンスさえ流れなくなって
今日の日を振り返ることでのみ
呼吸が続くような気がしてた

屋上で身を投げようとする人
火災の中で助けを呼ぶ人
空飛ぶマントで救える命が
地球にはまだ多く存在してる

僕の姿は誰にも見えなくて
この世界を守るために来たよ
昼も夜も涙の泉には
たくさんの魂が泳いでいく

隠れるように泣いていたけれど
今まででいちばん大きかった
トンガリ帽子が僕のものだって
神様は解っているのでしょう


自由詩 僕の地球を守って Copyright ミナト 螢 2018-06-13 17:06:11
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