やすらかな世界
ペペロ

女子社員のこえが二重にきこえた

朝から右耳に低い風の音がしていた

ちょっとした低音がきこえると

右耳がそれをしばらく拾っていた

耳鳴りだ

なんとなくいやな感じがして病院にいった

聴力検査と鼓膜の検査

折れ線グラフ化された右耳と左耳のデータ

その結果がPCに映し出されていた

三人に一人しかもとに戻らないだとか

鼓膜の反応がわるいから神経がよわっているだとか

突発性難聴という名の病だとか

最初の一週間、とくに最初の三日間が勝負だとか

じっさい悪いのは左耳だとか

安静にするには入院がいちばんいいだとか

これがガンの告知ならどんなだろう

そんなことを考えながら聞いていた


やすらかな世界とは

ひとの妄想なのだろうか

金や名誉、好き勝手に生きることが

ぼくはどれくらい大好きなんだろう

生まれてきた意味に

気づくために生きようか


女子社員のこえが二重にきこえた

朝から右耳に低い風の音がしていた

ちょっとした低音がきこえると

右耳がそれをしばらく拾っていた

耳鳴りだ

なんとなくいやな感じがして病院にいった

聴力検査と鼓膜の検査

折れ線グラフ化された右耳と左耳のデータ

その結果がPCに映し出されていた

三人に一人しかもとに戻らないだとか

鼓膜の反応がわるいから神経がよわっているだとか

突発性難聴という名の病だとか

最初の一週間、とくに最初の三日間が勝負だとか

じっさい悪いのは左耳だとか

安静にするには入院がいちばんいいだとか

これがガンの告知ならどんなだろう

そんなことを考えながら聞いていた





自由詩 やすらかな世界 Copyright ペペロ 2018-06-03 21:13:54
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