下弦の恋
田中修子

ッポン ッポン スッポンポン

ちょっと不安な夜はね
お月様に弦をかけて
愉快にかきならして御息所を追い出すわ
獏 パクパク

かあさんてばアマテラスだったのよ
かっこつけすぎひねくれすぎて

おかげで娘はアメノウズメじゃ
お酒に飲まれてスッポンポンにあの浮かれよう
豊穣で自然なこのからだをみよ
ボインのタワワな余韻

ムッフーフーがワッショイ ワッショイ

天岩戸をひらいたら
かあさんをだきしめて揺れ動く
思想のははにうまれた詩のむすめじゃ

ッハイ ッハイ

月は叢雲
しとやかな浜辺におどるように

揺れ動く中空の神

もういさかいはおしまいだ

かあさんととうさんがお互いを捧げあうダンスをして
わたしがうまれたこと
かあさんは忘れちゃったみたい
こりゃァ ちっとした 奇跡だァってのになァ
困ったもんだァ

夢の中で折れるナイフ

ヴィクトリア時代のあのおはなしがとても好き
殿方が家具のエロティックなおみあしに欲情してしまうから
ピアノにもカヴァーをかけたという

わたしは淡いピンク色のつむじ風になって
ゼウスのごとくありとあらゆるカヴァーを
まくりまくり
ひらひらひらめく布布から
ルルルンルンっとかわいい音階

下弦の月の恋に痩せ細る
悩ましげなため息


自由詩 下弦の恋 Copyright 田中修子 2018-05-18 00:57:22縦
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