発端は、森の奥で彼女が猫を拾ってきたことから始まったのだ。

「このこ、飼ってもいい？」

そのとき彼女が咥えていたのはセブンスターだったのかチュッパチャップスだったのかあるいは鹿児島は日奈久の名産である竹輪であったのかはたまた友人の誰かがアムステルダムからこっそり仕込んで来た最上級のジョイントだったのかそんなことはどうでもいいような気がするのだがもしかするとそれこそが問題の本質であり今おれを悩ませているこの状況を打開する鍵なのかもしれないと誰かがおれの頭の片隅で囁く声が聴こえるような気がするがそれはきっと気のせいだろうと自分に言い聞かせてみるということをこの２週間おれは延々続けているのだがとにかく話をもどそう、「オーケー、お前にステキな名前をプレゼントしてやろう」

　アンドアジェネシス
　犬殺し
　裏切者
　ＸＴＣ
　大岡エチレン
　確信犯
　９０１２５
　クトゥルーさん
　喧嘩屋ジョー
　木枯らし三太夫
　櫻田ファミリア
　ＣＢ−Ｊｉｍ
　スーパーナチュラル
　専務
　ソドム
　第十二厨子王丸
　九連宝燈
　ツンドラ
　テルミン
　トカレフ
　ＮＩＣＥ
　２４倍速
　ぬばたま
　ネクサス６
　脳ＦＵＴＵＲＥ
　破壊者
　ピカ忠
　普通
　ヘリオガバルス
　ホドロフスキー
　ＭＴＨＲＦＣＫＲ
　ミドロ
　無限の住人
　メロンソーダ＆チリドッグ
　モモモモモモモモモモ
　やっつけ仕事
　ゆきゆきて新聞
　酔いどれ
　ランボルギーニ
　理屈
　ルーシー・モノストーン
　ＲＥＤ
　ロメオ
　我輩
　をんどる
　ンバキ

結局、
いつまで経っても名前は決まらないままで
彼女は猫と一緒に森へ行ってしまった。

半年経ったが、
まだ、戻ってこない。