お彼岸
砂木



こしていく 冷えた息
向こう側に 滑りゆく
私じゃない 私の行方

持ち出せない 鍵の開く音
隠している荷 炉に 並べ

燃え尽きて 透けてる 私
まだ変われるなら どうか

黒い骨 むきだしの死霊
甘く 煮立てた涙 でも

望んでない 望んでるわけがない
望ませない 望ませるわけにはいかない

かえってきても かえってきても
まだ 歩いて行くんだ どうぞ

線香が 心臓を ガタガタ充たす
のぼっていく 晴天 雪 の 光 


自由詩 お彼岸 Copyright 砂木 2005-03-20 09:49:06
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