見えない明日
ヒヤシンス


 新しい明日を迎える為に今日という日のスーツを脱いだ。
 街角の雑踏、裏通りの饐えた匂い、散乱する生。
 風のように過ぎてゆく時を眺めると、欠伸が出る。
 今日も懸命に生きた。

 充実感の後にやって来る絶望感にうんざりする。
 人生の宿命に立ち向かう術はないのか。
 こんな時は静かな森で一人瞑想したい。
 詩とは何だろう?言葉は恐ろしい。

 細切れの集中力の中で今日は十回欠伸をした。
 明日は二十回はするだろう。
 あー、嫌だ。

 とても詩とは呼べないような言葉の羅列。
 俺の手帳を見ろ、真っ白だ。
 よれたスーツに新しい明日が見えない。


自由詩 見えない明日 Copyright ヒヤシンス 2018-04-14 00:46:08
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