幸せを運ぶブタ
桜 葉一

閉店間際のスーパーに行くと
お袋が2割引になって売っていた
陳列棚には親父が売れ残っていた
兄がバーコードを読み取る機械に当てられていた
150円だった
偶然弟に出会った
彼はモズクを5パック買っていた
僕はブタを買った
大切に育てた
ある日ブタが卵を生んだ
食べた
鶏の卵のような味だった
その日からブタは毎日卵を生むようになった
スーパーへ行った
お袋が半額になっていた
親父はまだ売れ残っていた
兄は150円のまま
弟はメカブを買っているようだった
僕はブタを買った
ブタは卵を生み
僕はそれを食べた
とても美味しかった

1人暮し初日

僕はそんな夢を見た


自由詩 幸せを運ぶブタ Copyright 桜 葉一 2005-03-19 22:44:56
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