ブラックライトの儚さに
藤鈴呼


名前を付ける前に
白さを失ったニキビ
まるで 産まれた瞬間から
そこに 佇んでいたかのような自然さに
節々が きしみをあげながらも
叫ぶことだけ 出来ないでいる

足元を見ると
いつかのゼリーを 思い起こす
ぬるま湯に 浸かった分だけ
まるで 宝石のような色合いで
若干 綺麗にも思えてくるから
不思議だ

金属をつけた瞬間の
ケロイド状に 剥けた肌に
猫を抱きしめ眠った夜の
裂けた鮮血を閉じ込めた肘に
ブラックアウト

ねえ 知ってる?
暗闇の中で飲む ソーダ水
ジントニックの向こう側に光る
白いセーター
こぼれた八重歯の角度で
今日の気分が 分かるんですって

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自由詩 ブラックライトの儚さに Copyright 藤鈴呼 2018-03-28 22:19:39
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