悲しみのどん底
坂本瞳子

穴に堕ちて
もう二度と
上がって来れなくていい
今回の自己嫌悪は
それくらい深い
私が抉った傷は
もっと深い
拭うことのできない悲しみは
自らの罪
恥を上塗って
怒りを伴って
悔しさの向こう側には
何が見えるのだろうか
何を求めるのだろうか
優しさなんて
そんなところから
這い出てはこない
待っていても
降ってきてはくれない

だから
穴蔵の奥底に身を沈めて
捻れた心を汚れた身体で捩って
雁字搦めに縛り上げて
項垂れていよう
今暫く
踏みつけられようと
唾を吐きつけられようと
打ち拉がれた自らの心は
誰にも救ってもらえないから


自由詩 悲しみのどん底 Copyright 坂本瞳子 2018-03-27 00:07:16
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