残り 残る
木立 悟






光の筆で 見えない絵を
見えないまま描きつづけている
明るい雨
明るい雨


行き止まりの家の灯り
斜めの風から聞こえる光
蒼の上の蒼の数
蒼に蒼に染み込む蒼


まばらな森
まばらな林
まばらな生
はざまとかたちの連なりたち


時間の蛇が
冬の蛇に添い
降る光を 鉱と火を
見つめている


よろこびは川に喰われたのか
何処かへ行ってしまっていた
だが探索者の書をひらくたび
元の場所に現われるのだった


見えるものはもはや積もらず
何も無い地に身体は沈む
白く鈍く 痛みは砕け
見えない絵の群れに降りそそぐ

















自由詩 残り 残る Copyright 木立 悟 2018-03-14 08:56:37
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