彼女は地球上でたった一人のアイドルだった/即興ゴルコンダ(仮)投稿
こうだたけみ

隣の部屋のうたう女
廃品回収と灯油販売の
トラックが華を添える冬の
低い位置から差し込まれる光の
中心でたわむれる埃

コンビニ前に止まる車
アイドリングストップの
マナーを声高に訴える大看板の
存在なんて見えない振りの
車内を暖め終えた排気

ハンガーを咥えたカラス
薄暗い団地の清掃員の
少しばかり太り気味な中年女の
丸い背中に話しかける老人の
頭上で旋回している祈り

口から空気が漏れる
これはため息じゃない
ため息じゃないから私
不幸にはならないの

バックミラーで盗み見してる
その顔はいつだって暗い


自由詩 彼女は地球上でたった一人のアイドルだった/即興ゴルコンダ(仮)投稿 Copyright こうだたけみ 2018-02-25 23:11:13
notebook Home