こたえのない曇りの日に
唐草フウ
紙を破いたら
鳴りやむことを知らない
何度も何度も波が
静脈から動脈に往復する
黄色の傘を置いて
小さな傘を置いて
歩いてきてしまった
わざと忘れてきてしまった
日常は全然ゆるしてくれて
だれも知らない顔たちは咎めない
帰ってきたわたしは折り返しの照明スイッチを付ける
ペタと座ってぼおっとする
飛び越えた水たまりのことを あの傘のことを
思い出さない日のことを
自由詩
こたえのない曇りの日に
Copyright
唐草フウ
2018-02-19 14:48:01