十三夜
primrose

月を見ていた

さめざめと
蒼く光る月を

枯れ葉が
ざわめく

風が一息つけば
冬に呑み込まれそうな
気配の中

私の形をした
不安が
足下で揺れる
いつになく
真っ直ぐな面持ちで

為す術もなく
私は爪を噛む
深く深く
血が
唇を染めても

止めることなく
瞬きすることなく

月を見ていた

満ちてゆく月を
増大する影を


自由詩 十三夜 Copyright primrose 2003-11-17 13:32:53
notebook Home 戻る