犬の毛布
はるな
約束が わすれられ ふるびて かわきながら
そこにあり続けるのを しっていた
バス停みたいに でん とつったって
おたがいに これからも
わすれられ続けるのだ
犬の絵の毛布が
ベビーカーから すべりおち
小さな手が さようならを言うように
ひらひらとふるえていた あのときも
かなしいのは さびしさよりも
犬の絵の毛布
あたたかで やわらかく しめっていて
だれかが きっと それを探している
自由詩
犬の毛布
Copyright
はるな
2018-01-08 08:58:00