月の綺麗な、いつもの夜。
秋葉竹

(寒い夜。)

抱っこして。
ぎゅっと、抱っこして。
パトラッシュとネロみたいに。

「でも、それ、最後は死ぬはなしやん?」

死なない、パターンで。

お願いします。

「…………」

じゃあ、
マフィアの大富豪と、
その愛人、じゃなくて、彼女。

「どうして、マフィア?」

愛人だと、正妻がいるでしょ?
だから、彼女。

「?……」

………………

「いや、マフィア、の、理由?」

だからぁ、大富豪だから。

「?…………」



と、いうのが、先ほど寝ぼけて起き出したすみれ子の願望らしいです。会話が、わざとかと思うほど噛み合わないのは、わざとじゃなくて、寝ぼけているから?
問い質そうにも、もう、私の腕枕で眠っちゃってて、起こすのも悪いし、話はこれで終わるのですが。


自由詩 月の綺麗な、いつもの夜。 Copyright 秋葉竹 2018-01-07 03:14:00
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