そら
アンテ


となりで
しばふにねころんだひろこちゃんが
りょうてをそらにのばして
ぐー ぱー
をくりかえした
おいしそうなくもが
ながれている
わたしあのへんかなあ
せのたかいきの
てっぺんをゆびさして
まぶしそうに
ひろこちゃんはめをつぶった

ふうせんは
ずっとたかくまで
のぼりつづけるんだって
おもってた
ずうっとずうっと
のぼって
ずうっととおくで
しあわせにくらしているんだって

おばあちゃんがしんじゃって
がっこうをやすんでいたんだって
はなしてくれた
からだをもやして
はいにして
おはかのなかにいれるのよって
ひろこちゃんは
ちいさないしをそらになげた
ちからがよわいから
すぐにおちてくる
なぜもやすの
あつくないの
ひろこちゃんはわからないといって
またこいしをなげた

ぽてっ
すぐにおちてきて
しばふのうえをはねる

おちてくるふうせんを
みたことがないのは
わたしがまだ
こどもだからなのだろうか
からすがつついて
わってしまうのだろうか
しゃぼんだまはどうして
すぐにこわれてしまうのだろう
おとなになれば
わかるのだろうか

おとこのこが
ごむでうごくひこうきをとばしている
おやことこいぬが
ふりすびーであそんでいる
みんなじめんにおちる
はっぱもあめも
ひろこちゃんがたちあがって
ころがってきたさっかーぼーるを
おもいっきりけりかえした

すごいすぴーどでなげると
ちきゅうのそとへ
とんでいってしまうのよ
ひとりぼっち
どこかへとんでいって
いつか
べつのほしにたどりついて
もえてしまうの

こいしをひろってみた
わたしとなづけて
おもいっきりなげると
ぐんぐんのぼって
ぐんぐんおちてきた
いてっ
こいしはそれきり
なにもいわない

ひこうきみたいなかたちになれれば
ゆっくりおちてくるのにね
でも
おもいっきりなげても
ひこうきはそらたかくにはとどかない
ふうせんだって

ふうせんがとんでいくのは
くうきよりかるい
がすが
なかにはいっているから
なんだって

そろそろかえろうか
ひろこちゃんとてをつないで
こうえんのそとにでる
ちいさないしころが
あちこち
ころがっている
ひとつくらい
おちてこなかったこいしも
きっとあるよね
いしがきによじのぼって
いちにのじゃんぷ
でちゃくち
ひろこちゃんがかけだす
わたしもかけだす




自由詩 そら Copyright アンテ 2005-03-16 01:03:10
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びーだま