少女1000人分の問題
平井容子


わたしはそのために干物となった母が必要とは思わない
けして割れないと思っていたココナツが割れ
そこから白い乳の宇宙へ出る
三つ編みは2本のストロウ
吸いつくすあいだにひとりずつ老婆になる
どこからがあなたかがわからなくなるから
わたしは自分のなまえをなくすのも
ひとつも怖くないのだった
来光を反射する白いひたい
体からでていく順番をおもうとき
はじめて母はうるおいふやけいま一度血を流す、そうあるように


自由詩 少女1000人分の問題 Copyright 平井容子 2017-12-08 02:29:47
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