はじまりをことばにしたくなった
かんな




冬のはじまりを
ことばにしたくなった
ときすでに、

むかし話のように
ふり続くゆきのような、
文字のられつ

呼ばれなくなった
なまえを口ずさむように
くり返し、くり返し

みずみずしさを
感性と名付けたら
今さらもう、書けない

にんげんの
せつないところは、きっと
変化と慣性であって

冬のおわりの、
ことばをすでに用意して
変えられないわたしが

春になる頃には
みずになり
プランターの花を咲かせる




自由詩 はじまりをことばにしたくなった Copyright かんな 2017-12-02 18:14:11
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