うす紙
はるな


うす紙には夕陽がのっていて
握ると、あわい音がした
ただわらっていたかった部屋で
むりに言葉をはきだすと
それはすごく汚れみたいで
いそいで手を洗いにきたのだが
石鹸は嘘でできていて、
洗っても洗っても夜がこないのだった



自由詩 うす紙 Copyright はるな 2017-10-27 00:43:05
notebook Home 戻る