夏が終わる
無限上昇のカノン

夏の残り香が まだ消えない夜
そぞろ歩く者は みな寂しげで
私まで悲しくなってしまう
何処からか秋の虫の鳴き声が聞こえ
夏が消えていくのを知る

どこかで花火を打ち上げている
火薬の臭いが漂ってくる
空を見上げれは夏の星座は姿を消し
季節外れの服装が
急に恥ずかしくなって
家路を急ぐ

夏の残り香が まだ漂っているのに
世間は冬の話をしている
寒いのが苦手な私は
逃げ出すように夜道を急ぐ
自然からは逃れられないと知りながら
夏のしっぽを掴もうとして
車道に飛び出す

夏の残り香が 徐々に消えていき
私は途方に暮れている
地球は公転するのを止めることなく
太陽の回りを回っている
また来年 暑い夏がやってくるまで
私は寒さに怯えている


自由詩 夏が終わる Copyright 無限上昇のカノン 2017-10-21 10:45:20
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